春海村から銚子の観音様にお参りに行くには、干潟八万石の総堀堤沿いに歩いて、見廣村を抜け、猿田、中嶋を通る猿田路と、小船木を通る御出路がある。
道中の長尾村には大きな「てふしみち」の道標もあって、草道であるが分かりやすい道筋であった。ただ、見廣の高台に上る大坂は急坂で、滑りやすいから石が敷いてあった。この坂に「弦巻滝」がある。高さ三丈を超える滝で、下総随一の高さを誇っていたが、今は水が落ちていない。後に変じて鶴巻滝と呼ばれるようになった。
《注》「御出路」（おいでみち）は雷神社の御神 幸祭経路であるから、そう呼ばれた。