本文へスキップ

御祈願は雷神社へ

〒289-2616 千葉県旭市見広1371番地

椿湖HEADLINE

 大古神代の時、日本に三本の大木あり、栗、楠、椿なり。 楠は長門國厚狭郡にて、神功皇后三韓退治の時伐取、筑前國海濱の岡にて神船を作る。大船四十八艘、小船數百艘出來有之、其伐り屑石と成る今両国に薪石と云ふ是なり。 栗は丹波國大江山の麓にありて、鬼神城郭の要害とす。源頼光酒呑童子退治の時、大守より所の百姓に云付、此木を伐らするに、一夜の内に肉生合伐る事を得ず。其時其親、子に教けるは、伐屑をば入火にして燒き棄てしかば終に伐らる。伐る時に教へし親甚悦び、木の本へ立寄りしに、此木急に打倒れ、親子打しかれて死す。是を呼で諺に丹波の爺うち栗と云ふ。 今一本は下總國椿なり。此椿は猿田彦命日本國分の時、三十三本の椿を植ゑて一ヶ國の境とす。香取海上匝瑳の三郡に枝葉はびこり、常に黒雲掩ひ掛り晴るゝ事なし。是鬼魔國の魔王日本國を傾けんとして、木下に住みて窺ふなり。香取鹿島の両神是を退治し給ふ時に、天の香土弓天の羽々矢を以て是を射給ふ。其の時鬼神急に椿を根抜にして辰巳が沖へ飛去りけり。此の時玉崎明神御加勢ありし故、俗に鹿島の末社と云ふ。右椿の抜跡漫々たる海となる。海上渺々、近在の人は鱗を取り鳥を捕り身命を助け、字をば椿湖云ふ。云々      
(椿新田濫觴記抜粋)
椿湖、景行天皇五十三年冬十月、天皇従淡路渡于泡輪水門、轉陸巡總國、進至國央、有一倒木、本在東北、末在西南、越之如山、召諸老問事、數老皆奏曰、這大椿也、従神代有、花盛時天紅、花散時地紅、百神栖枝、常鎭光荒、萬人棲木、不營家屋、木神記木壽、曰、八十萬八千歳、木壽既竭、倶根倒矣、根跡成海故云椿湖、此國當上蕚故謂上總國、其下蕚謂下總國、云々    
(舊事大盛經抜粋)     
《注》鬼神が辰巳に飛び去ったことから今でも辰巳 から吹く風は恐ろしいと伝えられている。これ は海からの潮風による塩害のことである。