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御祈願は雷神社へ

〒289-2616 千葉県旭市見広1371番地

はじめにHEADLINE

 平成十七年七月一日の市町村合併により、旧旭市・海上町・飯岡町・干潟町が合併し、「海上郡」が消滅した。私には、「うなかみ」という歴史的な古称にこだわりがある。萬葉集にも「宇奈加美」は登場し、千葉県北東部はかつて「下海上」といって律令時代は久都伎直という国造が統治していた時代もありました。近くは、海上郡銚子町が銚子市に、旭町が旭市になり、「うなかみ」という地名は「海上町」に引き継がれましたが、合併により消滅してしまいました。
 現在、海上中学校や海上川、銚子市の海上八幡宮など、調べれば多くの「うなかみ」が散見できることは、歴史的名称の保存上喜ばしい限りです。
 その様な中で、たまたま『海上町の民話』という、ガリ版印刷の小冊子にめぐりあいました。その内容は、かつて耳にしたものも多くはありましたが、文書としてまとめられたものとしては、初見のものもありました。そのことを機に、何冊かの民話・伝説書などをあたり、「旧海上町に関するもの」のみ取り集めてみました。しかし、私のような薄学凡夫には、あまり広範囲を網羅することは不可能に近く、漏れ落ちたお話があるかもしれません。本小冊子をご覧いただき、新たなお話または類似した民話・伝説があれば、ご教授ください。
 なお、「民話」の分類上では、「昔話」は登場人物や時・場所を特定しない、おそらく事実ではない内容を語っている。「伝説」は人・時・場所等を特定し、少しは事実かもしれないことを書いている。と分類されます。それからすれば、本誌の多くは「伝説」またはそれに類似するものと思います。 

                平成二十一年三月十五日   編集者 嶋田正