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御祈願は雷神社へ

〒289-2616 千葉県旭市見広1371番地

笛吹き通右ヱ門HEADLINE

 むかし、むかし、岩井の村はずれに、通右ヱ門と云う人が独り暮らしをしていました。  子供が好きで可愛がるので、子供達も毎日のように遊びに来ました。
 色々な面白い話をきかせたり、また笛が上手で、笛を吹いて聞かせたりして子供達を喜ばせていたが、そのうち歳をとって歯がぬけて、笛が吹けなくなってしまいました。それでも子供達は遊びに来て、     

通右ヱ門 通右ヱ門 笛吹けや  前歯がかけて 笛吹けぬ

と囃したてても、にこにこして話を聞かせ、集まって来いと集めては話を聞かせるのでありました。  通右ヱ門さんはまた、雑炊が好きで何時も雑炊を炊いて食っていました。 こんな話がありました。通右ヱ門さんの町内で、猫達の寄合いがありました。六匹も七匹も集まってきたが、通右ヱ門の猫だけが遅くて、皆待ち遠しがっていました。しばらくしてから、通右ヱ門の猫はやっとやってきました。他の猫達が、「通右ヱ門どん、ずいぶん遅かったね、どうしていたんだ」と言ったら、「俺の家では今夜も雑炊が熱くて、食うのにひまがかかった、遅くなってすまなかった」、と近所の猫達にあやまったということです。